第1話 人間犬の誕生

山崎玲奈は犬女になった。

玲奈は恋人であり、ホストの新田朗の借金の連帯保証人になっていた。玲奈は朗と連絡が取れないようになると、借金取りが押し寄せてくるようになった。しがないOLだった玲奈に返せる当てはなかった。会社にも借金取りが押し寄せ、会社に行けなくなり、退職した。玲奈には高校時代からの親友、彩芽坂美香がいた。美香は大財閥、彩芽坂家の令嬢で大金持ちだった。親友には迷惑をかけられないと、今まで連絡を取らなかったが、意を決して連絡をした。

「美香、お願いがあるの。私、借金の連帯保証人になってしまったの。お金を貸して欲しいの。親友にこんなこと頼めないってわかっているけれど、もう限界なの」

電話の向こうで美香がにやりと笑った。

「条件があるわ。私のペットの犬にならない?私のペットとして一生をくらすの。それなら、考えて上げてもいいわ」

玲奈はすぐには答えられなかった。

それから1週間後、玲奈は美香のお屋敷のリビングにいた。

「借金取りが毎日毎日やってくるの。もう頭がおかしくなりそう。借金を全部払ってくれるならペットになってもいいわ」

「借金なら心配いらないわ。全部、払ってあげる。私に返す必要もない。その代わり、私のペットの犬になるのよ。私のところにはドーベルマンの太郎がいるの。その妻になるのよ」

「そ、そんな。そんなのは無理です」

「じゃあ、借金の件はなしね」

「わ、わかったわ」

玲奈は借金を払ってもらえるなら従うしかないと思った。ドーベルマンと番わされても、ペットの犬として飼われても、毎日、借金取りに悩まされるよりはましだと思えた。

「今日は親友同士、一緒に過ごしましょう。人間としての最後の夕食は美味しいステーキをご馳走するわ」

「人間としての最後の夕食?」

「そう、これから犬になるんだから、ずっとドッグフードよ」

美香がにやりと笑う。

「そ、そんな、ひどい」

「じゃあ、止める?借金の件はなし」

「わ、わかりました」

「一緒に私の部屋に行って、のんびりしましょう。色々、昔の話をしましょう」

玲奈は美香について、美香の部屋に行った。大きな部屋だった。キングサイズのベッドがある。美香はベッドに寝転ぶと、来て、と玲奈を呼んだ。玲奈は美香のそばに寝転がった。美香のいい匂いがする。

「中学も高校も大学も一緒で楽しかったわね」

美香は玲奈と中学や高校時代の昔話をした。開け放たれた窓からはいい午後の風が入ってくる。つい、玲奈はうとうとした。

夕食は、実際にA5ランクの黒毛和牛のステーキだった。すごく美味しかった。その後で、美香と一緒にお風呂に入った。広いお風呂だった。まるで温泉みたいだった。

「玲奈、思う存分楽しんでね。これが人間としての最後のお風呂なんだから」

「犬になるってどういうことなの?」

「文字通り、犬の体につくりかえるのよ。あとは見てのお楽しみ。それにしても玲奈の肌はきれいね。洗ってあげる」

美香は玲奈の体を洗ってくれた。お返しに、玲奈も美しい美香の体を洗った。洗い終わると、一緒に広々とした湯船に一緒にのんびりと浸かった。温泉みたいでまだまだ、たくさん人が入れそうだ。2人きりなのはもったいないくらいの広さだった。

玲奈は美香のパジャマを着て、美香のベッドに潜り込んだ。

「人間として最後のベッドなんだからゆっくり眠りなさい」

美香が玲奈を抱きしめた。犬になるってどういうことだろう、よくわかっていない玲奈は柔らかいベッドの上でぐっすりと眠りについた。

 玲奈は明るい光で目を覚ました。玲奈は全裸で伏せの格好でケージに入れられていた。ケージの中から見覚えのある美香の部屋が見える。鉄柵を掴もうとしたが手はグーに握られている。手を開こうとしたが、手はぴくりとも開かない。親指は第一関節から先がグーの中だ。裏返してみると、指がある場所に肉球が埋め込まれ、ぴったりと合わさって一つになっている。手は足に改造されてしまっていた。首輪がされている。お尻の穴には何かが入っている。

 ケージの中でじっとしていると、美香がやってきて、ケージの中を覗き込んだ。

「犬になって戻ってきたのね。かわいらしいわ。今出してあげるからね」

そう言って、美香がケージを開けた。玲奈は恐る恐る外にでた。

「立ってみなさい」

玲奈は立とうとしたが、膝は伸びなかった。足の甲も、脛と一直線に固定され、曲がらず、爪先立ちになった。

「立てないわよね。犬だもの。これからは人間の言葉をしゃべらないように口枷をしてあげるわ」

そう言って、長い髪をゴムで1本に束ね、玲奈に口枷を噛ませた。それは唇の動きを抑え、舌だけがだらりと本物の犬みたいに垂れるタイプのものだった。

「ちんちんの格好をしてみなさい」

言われた通り、玲奈はちんちんの格好をした。美香が玲奈のグーに握られた手を握った。

「これからは、玲奈は花子よ。花子って呼ぶわね。うちのドーベルマン、太郎の妻。手はちゃんと前足になっているのね。人工肉球がついて、本当に犬みたい」

そう言って、玲奈の前足の人工肉球をぐにぐにと押した。

「尻尾もあるのね。抜けないかしら?」

玲奈のお尻に入っているものは尻尾だった。美香が尻尾を引っ張っていじくった。お尻の中がこね回され、ぞわぞわっとした快感が走る。尻尾はしっかり固定され、全く抜ける気配はなかった。

「アナルを尻尾用に二つに分けて固定したんだもの、抜けないわよね。それにあまり弄り回すと、お尻で感じちゃうかもっていっていたわ。ふさふさで可愛い。寝転がって足の肉球も見せて」

玲奈が犬のように寝転がると、足裏に埋め込まれた肉球を美香がぷにぷにと押した。

「これから、花子は歩くときは、ここで歩くのよ」