第2話 茜の女子しての生活、初めての生理

茜は手術の前日にオナニーをした。茜は男子トイレの個室に入った。茜の小さなペニスはもう勃たない。それでも亀頭のところを皮ごとぐりぐりといじるといい気持ちになり、さらにいじると精液のない透明な液体をどっと吐き出す。もう、こういう風にオナニーをすることはできなんだと思うと、茜は少し寂しくなった。

翌日に手術を受け、2、3日はベッドの上にいた。おしっこはチューブで排出されている。看護師がチューブを外す時に言った。

「最初のおしっこの時は呼んでね。おしっこの仕方から勉強よ」

茜はペニスがあったあたりに手を持っていったが、もうそこには何もなかった。茜はおしっこがしたくなり、看護師を呼んだ。看護師はにこにこしてやってきて、茜を車椅子にのせ、女子トイレに押していく。女子トイレの個室はひろく、車椅子で入れる。看護師は茜を便座に座らせた。

「下は全部脱いで中腰になってね。お尻を便座につけないこと」

茜は言われた通り、下を全部脱いで、中腰になった。

「おちんちんがあったあたりにびらびらがあるでしょう。それを左右に引っ張るの。おしっこ穴はその中だから。そして、下向きに狙いを定めるの」

茜は言われた通りに、びらびらを左右に開いて、下に向けておしっこをした。じょばっ、とおしっこがでた。少し、外に飛んでしまったのもあったが、だいたい、きちんと便器の中に収まった。

「茜ちゃんはうまいわね。これからは力の入れ方を勉強していってね。男と女ではおしっこの仕方が違うんだから。それから、女の子は漏れそうだと思ったらおトイレに行ったほうがいいわ。男みたいに我慢ができないから。そうそう、女の子はおしっこが終わったら、女性器についた雫をトイレットペーパーで拭うのよ。そういう習慣も身につけていってね」

茜は、トイレットペーパーを取ると、ぐるぐるに巻いて、おしっこが飛び出したあたりの雫を拭った。そしてトイレットペーパーをトイレに流した。

茜が下を持ち上げて履くと、車椅子に戻した。

「これからは手すりに掴まって、自分でしてね。これからは女子トイレよ」

そういうと、看護師は車椅子を押して、女子トイレを出て、茜をベッドに戻した。

すぐに退院の日がやってきた。恵子と母、瞳が迎えにきた。部屋は大部屋だったので、恵子がカーテンを引いた。

「可愛らしいワンピースを持ってきたのよ。これに着替えて帰りましょう」

そう言って、瞳がキャリーバッグからひまわり柄のワンピースを取り出して見せた。恵子がブラやショーツを取り出したので、着ていた病院着を全部脱ぐと、それを身につけた。そして、最後にひまわり柄のワンピースを着た。

「よく似合ってる。茜。かわいい。中学生って感じね。もう私の妹なのね」

恵子が嬉しそうにいう。茜は自分が周りからどう見えているか確認したかった。本当に女の子に見えているのか不安だった。そういう茜の不安をよそに、瞳がカーテンを開けると、恵子が手を引いた。

「茜、帰りましょう」

3人は1階ロビーの受付を素通りして、正面玄関にでると、大きなリムジンがするすると寄ってきた。東京駅で茜を迎えたリムジンだ。3人で後部座席に乗り込むと、リムジンはゆっくりと出発した。

「茜は本当の女の子になったのね。下着もお洋服も恵子のとは別のを揃えないといけないわね」

瞳がそう言って嬉しそうに微笑んでいる。

「茜が女の子になって嬉しいわ。これからはずっと一緒だもの」

恵子も嬉しそうだ。

その夜、茜は恵子とお風呂に入った。もう、女同士だ。脱衣場で一緒に服を脱ぐ。恵子は可愛らしいピンクのブラとショーツを身につけている。

「もう、お兄ちゃんじゃないのね。妹の茜なのね」

「これからは恵子じゃなくて、お姉ちゃんって呼ばないとおかしいよね」

「そうね。お姉ちゃんって呼んでみて」

「お姉ちゃん」

「なんか変な感じ。私、お姉ちゃんになったのね」

裸になった茜を、恵子がじろじろとみる。

「茜はもうすっかり女の子なのね。この前、一緒に入った時にはあった小さなペニスがもうないのね。すっきりなんにもなくなってる」

「もう女の子として生きていくしかない。すごく不安。それに、中学2年生の女子だなんて」

「お姉ちゃんに任せて」

茜は恵子と一緒にからんの前に座って、体と髪を洗い、湯船に入った。恵子が後ろから抱きついてきた。甘い、いい匂いがする。

「やわらかい。こうしていると本当に姉妹って感じ。もう男のシンボルもないしね。お兄ちゃんだったから体は私よりだいぶ大きいけれど、発育のいい妹っていうのも十分にありよ。まだ胸は私の方が勝っているし」

「俺もおっぱいもっと大きくなるのかな?」

「俺なんて言っちゃダメ。きっとおっぱいも大きくなるわ。体が大きいんだからなにか部活に入った方がいいわ。宮城ではなにかやっていたの?」

「中一まではサッカーをやっていたんだ」

「女子サッカーはないわね。バレーかバスケットがいいかもしれないわね」

茜は恵子と姉妹のように話した。

その夜、二人は照明を消して、一緒のベッドに潜り込んだ。部屋全体が女の甘い匂いがするし、ベッドも恵子の匂いがする。

「茜には秘密にしていることがあるの」

恵子が少しもじもじしていう。

「秘密って?」

「そ、それは」

「どうしたの?」

「茜にだからいうね。私、毎日オナニーしているの。オナニーしないとよく眠れないの。2人で暮らすっていうからちょっと心配なの。向こうを向いてオナニーして眠るから変だって思わないで」

「女の子もオナニーするんだね。男だけだと思っていた」

「当たり前でしょう」

「俺も女になったからオナニーできるかな?男だった時はペニス勃たなかったし」

「私が教えてあげる。茜も一緒にオナニーするなら恥ずかしくない」

恵子は抱きついてくると、茜のショーツの中に手を入れた。茜の新品の女性器を触ってくる。女性器のてっぺんあたりをこりこりっとすると軽い痺れが走る。おもわず、ああっ、と声が出てしまう。

「ここがクリトリスよ。おちんちんみたいに固く勃起するの」

恵子はその下を弄り、膣穴の入り口をいじり始めた。茜はまた、ああっ、いいっ、と声をあげる。

「ここが膣穴の入り口。気持ちよくなると蜜が溢れてしまうの。シーツをよごしてしまっても構わないわ。私もそうだもの。朝起きてシーツを取り替えればいいだけよ。私は向こうでしているわね」

恵子はさっさとベッドの反対側に行ってしまった。ああっ、という恵子の声が聞こえる。茜はさっそくショーツの中に手を入れて、新品のクリトリスや膣穴をいじり始めた。クリトリスは何度か押しつぶしたりして弄り回すと固く勃起してくる。軽い電流が走る。膣穴はもう蜜でべっとり湿っている。茜は少し怖くて中まで指を入れることはためらった。入り口付近をいじった。入り口付近も気持ちいい。固く勃起したクリトリスをいじり、膣穴付近をいじると、男だった時に感じた絶頂に達した。快楽が身体中を走り回る。でも、男だった時に射精したような終わり感はない。快楽がまだ身体中に残っている感じだ。体が熱く火照っている。またクリトリスに手を持って行き、こりこりといじった。さっきよりも行きやすくなっており、女性器の中に少しだけ指を入れてかき回してみると、あっという間に絶頂に達して行ってしまった。さらに2、3度すると疲れて、いつの間にか眠りに落ちていた。

翌朝は恵子の声で目が覚めた。

「おはよう。茜。昨日はよく眠れたみたいね。シーツを換えましょう」

「お、おはよう。お姉ちゃん」

シーツを剥がすと、シーツは恥ずかしい染みでかぴかぴになっている。恵子に従って、要領よくシーツを換える。

恵子はクローゼットから、高校の制服を持ってきた。可愛らしいブラウスにリボンとプリーツスカート。

「これが私が4月から着る高校の制服。茜も2年後には高校生だよ。中学の時にきていたのを見せるね」

恵子が持ってきた中学校の制服はそれよりちょっと幼い感じだった。

「私はこういうのを着て、学校に通うのね。友達ができるかどうか心配」

「女の子の友達は女の子。男の子と仲良くしようだなんて思わないこと」

季節は3月の後半を迎えていた。母の瞳は下着の外商を呼んで、茜の体のサイズを測り、いろいろな色の体にぴったり合う下着を揃えた。茜の体型を採寸し、中学校の制服を注文した。中学校に通うカバンや、教科書類を取り揃えた。

できあがった中学校の制服に袖を通してみた。姿見に映すと、そこには可愛らしい女の子が映っていた。瞳と恵子が、よく似合ってると褒めてくれる。茜はこれから中学2年の女子として、学校生活を送ることになるのだ。

その頃に、茜は女として初めての生理を経験した。前日からお腹や腰が痛かった。恵子に話すと、

「そろそろ生理がくる印ね。初めての生理ね。生理用品は私のを使ってみて」

恵子は茜のショーツに羽根つきの大きめのナプキンを貼ってくれた。

「後で、買い物に行きましょう。生理用品はたくさんいるの。こまめに換えないと衛生上悪いのよ。中学校に通う時には生理ポーチもあったほうがいいわね。生理用品を入れておくの。周りにみられて恥ずかしくないように。女同士でまもってくれるわ」

案の定、翌日に生理がやってきた。お腹が痛かった。トイレに行くとナプキンが経血で真っ赤に汚れている。血まみれのナプキンをぺりぺりと剥がして汚物入れに捨て、新しいナプキンと交換した。

その日、母の瞳はお祝いのお赤飯を炊いてくれた。

「茜はこれでちゃんとした女の子になったのね。赤ちゃんを産めるようになったのね。立派に高島の後継を産んでね」

そう言って、瞳は微笑んだ。

生理は2日目がお腹がキリキリ痛んで辛かった。五日目には終わった。

「生理が終わったら、おりものがあるから、おりものシートを貼っておいてね」

茜は最後の生理用ナプキンをはがすと、おりものシートを貼った。生理前日に茜は恵子と生理用ナプキンを買いに行ったのだ。男だった時には絶対に通らない場所だ。店の奥にあり、少しドキドキする。生理用品にはいろいろな種類がある。重い日用、夜用、羽根つきなど、どれを買ったらいいかわからない茜に恵子はこれがいいと、勝手に選んで買い物かごに入れていった。

「生理用ナプキンはこれで十分かな。それと女の子にはおりものがあるの。膣内の分泌物。生理がおわったらおりものシートを貼っておくのよ。ショーツが体にぴったりしているのは、こういう分泌物を逃がさないためなの。女の子はいつもおむつをしているみたいな感じね」

生理が終わり、生理用ナプキンがおりものシートに変わって、茜は女になったことを強く実感した。それに男の頃には感じたことのない、生理前と生理中とその後の、激しいジェットコースターのような気分の上がり下がりを経験した。女の体の変化の影響を強く受けて、心も女に近づいていった。

4月に入り、茜が中学校に転入する日が近づいてきた。桜はもう散っていた。

女子中学生の制服を着て、カバンを持って、母、瞳に付き添われて、学校に歩いていく。御園学園中等部、男女共学だ。高等部は女子のみ。姉の恵子はそこに通っている。やがて、茜もそこに進学する。母の瞳が茜に微笑んだ。

「緊張しているの?心配いらないわよ。いいところのおぼっちゃま、お嬢様の学校だし、すぐに女の子のお友達ができるわよ」