第7話 ニューハーフとしての初めてのセックス

ある日、雪子と美樹の部屋に大男と女が入ってきた。女が流暢な日本語で言った。

「雪子、ニューハーフとしてお仕事を始める時期よ。これから連れて行くわ」

大男が雪子に目隠しをして、肩に軽々と担ぎ上げた。

「雪子、お別れね。幸せになってね」

美樹の声が聞こえる。

「あ、ありがとう。美樹」

雪子は大男に担がれていった。雪子は後手に手錠をされ、両足も手錠でつながれ、柔らかいクッションの入った木箱に入れられた。そして、車のトランクに積み込まれた。車ががたがたと出発する。どれくらい経ったかわからない。雪子は木箱の中でうとうとしてしまったようだ。車が止まると、木箱が運ばれていく。

木箱が開けられて、大男が木箱から雪子を出し、目隠しを外した。雪子が見たのは美樹とさっきまでいた部屋と同じような部屋だった。違うのは、もう美樹はいないということだ。大男は雪子の手錠を外した。

「これから、ニューハーフとしてここで働いてもらうわ。時間は2時から9時まで。12時ごろにお食事を持ってくるから、終わったら、お尻を洗って、準備していてね。その時間は部屋にいてもらうわ。それ以外は外に出ても大丈夫よ。ここは村。外部への道は兵士が見張っているわ。逃げたら撃ち殺されるわよ。お仕事は明日から。今日はのんびりしていなさい」

そう言って、大男と女は出ていった。雪子はまず、部屋を確認した。この部屋も濃厚な女の香りがする。キングサイズのベッドがある。三面鏡の化粧台、クローゼット。お風呂はバスタブとシャワー、トイレ。箱が置いてあり、そこにアナルの浣腸パックが10個。ローションの瓶も同じ本数入っている。バイブやディルドー、アナルビーンズはクローゼットの下の引き出しに入っているはずだ。雪子はクローゼットの下の引き出しを全部開けて確かめた。女物のブラやショーツがぎっしりはいっている。3段目、一番下にバイブやディルドー、アナルビーズが入っていた。バイブもディルドーも太いものだったが、今の雪子のアナルならすんなり飲み込める。部屋の点検が終わると、ドアをそっと開けてみた。ドアはすんなり開いた。前に高原のコテージみたいな建物が建っている。雪子がいる部屋も同じようなコテージだった。道路は舗装されていない土の道だ。雪子が玄関を見渡すと、そこに靴箱があった。靴箱を開けると、ハイヒールやパンプス、サンダルなどが入っている。雪子はサンダルを履いて、外に出てみた。自分が出てきた建物を見ると、それは目の前のコテージと同じ建物だった。そうした建物が無数に建っている。遠くからジープがごろごろと音を鳴らしながらやってくる。土煙がもうもうとあがる。雪子のコテージの斜め前のところに止まる。ジープの助手席から、アロハシャツの男が降りてくる。ジープは行ってしまう。男はそのコテージのドアを開けると、ドアの隙間から女の顔が見えた。自分と同じ境遇のニューハーフだろうか。女が雪子を見た気がした。男はコテージの中へ消えて行った。ニューハーフたちは仕事の時間で、それぞれが自分のコテージで男を待っているのだ。雪子はそんな時間に外を出歩くのは恐ろしかった。自分も彼女たちと同じニューハーフで普通なら働いている時間なのだ。それが通りをのうのうと歩いていたら、どんなことになるかわからない。雪子は部屋に戻り、そっとドアを閉めた。ドアには鍵がついていなかった。

翌朝、朝食が済むと、前のコテージのニューハーフがやってきた。綺麗な女だったが、日本語が話せなかった。広東語混じりの簡単な英語で話しをした。名は雪梅といった。近くのニューハーフたちも新入りを見に集まってくる。日本人もいた。奈々といった。みんな美しく、妖しい女の匂いがする。ここは気候がよく、ワンピース1枚で過ごせるみたいだ。雪梅が、触ってみて、という仕草で、自分の股間に雪子の手を持っていった。そこには雪子と同じ女のちんぽがついていた。

午後に雪子はニューハーフとして初めて、男の客を迎えることになった。12時の食事が終わると、雪子はバスタブで、浣腸パックを2個使い、アナルを綺麗に洗浄した。ついでにアナルビーズで前立腺を刺激し、小さなちんぽをしごいてオナニーをした。体をがくがくっとさせて、ちんぽがどくどくっと透明な液体を吐いた。

ジープがつく音がする。ドアががちゃっと開く。背広を着た恰幅のいい中年の男が入ってくる。男は広東語で何か話しかけてくる。雪子がまったく理解できないことを知ると、

「本当に日本人ね。これまでは、ここに日本人は奈々一人。日本人は優しくていいね。日本人がまた増えてうれしいね」

にこにこして日本語でそう言った。男は着ていたものを全て脱ぐと、雪子が着ていたぺらぺらのオレンジのワンピースを脱がせた。ブラホックを外し、ショーツを脱がせた。

「雪子は、雪みたいにしろいね」

うれしそうに男は言った。

「ローション持ってきます」

「大丈夫、どこにあるかわかっているから」

男はお風呂からローションを持ってきた。それをベッドサイドに置くと、雪子をベッドに放り投げて、その上から覆いかぶさった。男は雪子の柔らかい唇にキスをした。雪子には初めての男とのキスだった。男の口は、臭いニンニクの匂いがした。雪子の初キスはニンニクの味だった。

男は雪子の顔と体をぺろぺろと舐めまわした。雪子の体が唾液でべとべとになる。男はぷっくらした乳首を口に含むと唇で押しつぶし、舌でぺろぺろと舐めまわした。雪子の乳首はもう女と変わらない。乳首は固く勃起し、ぴりぴりと快感が走り抜けていく。ああっ、いいっ、と思わず声が出てしまう。男はしばらく乳首を舐めまわした後、くびれたウエストのちょっと上の縦長の形のいいお臍をぺろぺろと舐めまわした。そして、小さな女のちんぽを口に含んで舐めまわした。

「雪子はいい女の味がするな」

男は雪子の上に起き上がった。そのちんぽは巨大に勃起していた。雪子は黙って、ちんぽを口に含んだ。そのちんぽは口を大きく開けなければほおばれないほど巨大だった。

「そろそろいれるぞ」

雪子は黙って、四つん這いになった。男は三面鏡の化粧台の引き出しからコンドームを取り出し、自分の逸物に装着した。雪子のアナルにローションを塗りたくり、コンドームをつけた巨根にローションを塗りたくった。雪子のアナルにゆっくり押し込んでいく。餅のようにやわらかくなっている雪子のアナルは巨根をゆっくりと飲み込んだ。ああっ、と思わず雪子が声をあげる。付け根までしっかり押し込むと、男は腰を振り始めた。巨大なちんぽは直腸いっぱいに広がって、雪子の前立腺を擦り上げる。普通のサイズのディルドーやバイブではうまく擦れないところだが、直腸壁いっぱいに広がっているので、前立腺を擦るのだ。思わず、雪子が、ああっ、いいっ、と声をあげてしまう。

「ちんぽがしてもらいたいか?」

「ちんぽ、ちんぽをして」

男はぐんにゃりした小さな女のちんぽを男の強い力でぐいっと握って、擦り始めた。あまりにも強く握るので壊れてしまうかと思ったほどだった。だが、それくらいの力で押しつぶされる方が気持ちがいい。亀頭が感じている。美樹の力ではこんなには気持ちよくなれない。ああん、ああん、と雪子は声をあげる。

「そろそろいくぞ」

男はブレーキレバーを持つみたいに、雪子の女のちんぽを握って、腰を振った。男が雪子の中でがくがくと震える。それと同時に、雪子はからだをびくびくっとさせて、そのちんぽから透明な液体を吐き出した。

「お前もいったのか。俺もすごくよかったぞ。これからはなじみになってやる」

男はちんぽを引き抜きながら言った。雪子は巨根がこれほど気持ちいいものだとは思わなかった。もう一度、またこんな風にされたいと思ってしまう。雪子はすっかりニューハーフになっていた。

男は雪子を抱きかかえて、シャワーいくぞ、と言った。

雪子は男と一緒にシャワーで体を流した。雪子のニューハーフとしての仕事は、こうして始まった。

仕事が終わった夜に、雪子は前のコテージの雪梅を訪ねた。雪子は6人も客を取らされて疲れていた。ちょっとした気晴らしのつもりだった。雪梅は雪子を歓迎した。雪梅は雪子のちんぽをワンピースの上から触りながら、唇にキスをした。それは、雪子としたい、といっている風だった。雪梅は雪子をベッドの方へ引っ張って行った。雪子もきれいな雪梅の体を見てみたかった。男だったら、もうちんぽがおったっているいるはずだ。今の雪子には雪梅をみても性欲を感じない。今、雪子が感じているのは好奇心だった。雪梅は雪子の手をを引っ張って、ベッドの上に倒れこんだ。雪子が覆いかぶさる感じになる。下で雪梅がうれしそうににこにこしている。雪子は、雪梅があまりに可愛らしくて思わず抱きしめた。雪梅は香水のいい香りがする。その体はふかふかと柔らかい。すごく抱きごごちがいい。雪子は豊かな雪梅の胸に顔を埋めた。雪梅を抱きしめるとすごく気持ちがいい。性的な興奮とは真逆のベクトルだ。

“Yukiko,very soft.You smells good.”

そう言って、雪梅も雪子を抱きしめた。お互いの体を求め合うより、お互いの体に包まれていた方がいい。疲れていた雪子は雪梅を抱きしめて、いつの間にかうとうとと眠ってしまった。朝の光で目が覚めた。隣で、雪梅が雪子を見つめてにこにこしている。

“Lets’s go to eat something.”

“But morning meals are served.”

“No problem. In your room, there are wood board, which say “Moning meals, no thank you.Hang it on the door.”

そう言って、雪梅は雪子の手を引っ張って、雪子の部屋に入っていくと、クローゼットの側の木箱から”Moning meals, no thank you.”の札を取り出して、ドアノブにかけた。ここでのニューハーフの生活は、仕事さえきちんとしていれば、案外自由なものなのかもしれなかった。雪梅はあちこち、近所のコテージを周り、ニューハーフを誘っている。日本人の奈々もでてきた。

「みんなで雪子の歓迎会をしましょうって話になったの。夜は疲れているから朝がいいって話になったのよ」

そう言って、奈々が微笑む。奈々は小柄で美しいニューハーフだ。どこからどうみても女にしか見えない。胸も小ぶりで、全体的にほっそりしている。

雪梅と知らない美しいニューハーフが雪子の腕を組んだ。

“I know a nice restaurant, which serves delicious meals!”

隣のニューハーフが嬉しそうに声をあげる。雪子が連れて行かれた先は、吹き抜けになっているオープンのレストランだった。通りが見えるところに陣取る。気持ち良いそよ風が通り抜け、ニューハーフたちの美しい髪を吹き上げる。

「ここのお料理はおいしいわよ。私たちはこれからしばらく一緒に過ごすのだから、仲良くしましょうね」

奈々がにっこり笑う。出されたお料理は香港で食べたような広東料理だった。どれも手が混んでいて、本当においしい。

「しばらくはってどういうこと?」

「しばらくすると、一人ずついなくなるのよ。そうすると新入りが入ってくるの。身請けされて、本物の女にさせられてしまうみたい。噂で聞いたんだけどね。今ついているちんぽもいずれなくなってしまうのよ。大切な妻や愛人にする予定で、お客さんは私たちを丁寧に扱っているらしいの。だから、生ではしないで、コンドームを使っているの。私も、中国人の男に身請けされてしまうかもしれないわ。そして、中国人女として生きていくことになるかもしれない。もう二度と日本には戻れないかもしれない」

そういうと、奈々はすこし涙ぐんだ。雪子を抱いた男たちは優しく、雪子を丁寧に扱った。生でアナルセックスをするものなどいない。雪子もやがては、ここに来ている男たちの誰かにもらわれ、中国人女としてこれから生きて行かなければならないかもしれないのだ。もう二度と麗子に会うどころか、日本にも戻れないかもしれない。それは雪子をとても暗い気持ちにさせたが、ここから逃げ出すことなど選択肢にはなかった。そういう悲惨な未来を共有しているからこそ、ニューハーフ同士はお互いに仲良くできるのだろう。せめて、ここにいる間は、ニューハーフ同士で幸せな気持ちで過ごしたいという願いは一緒なのだろう。