第6話 花子の妊娠

玲奈は美香の室内犬としての生活がまた始まった。朝は、決まった通り、雨が降らなければ、お屋敷の中の舗装された道を散歩に連れて行く。前足は硬くなり、人工肉球がいい衝撃材になって、歩いても擦れて痛くなることはなくなった。後ろ足にも指の付け根に人工肉球が付いていて、快適に歩けるようになっている。

それ以外は美香の部屋で過ごす。おしっこもうんちも砂場でする。食べているものがドッグフードだけなので、うんちはほとんど臭わない。困るのはおしっこ穴もおしりも自分で拭けないことだが、美香がお風呂に入れて綺麗に洗ってくれる。

困るのは性欲だった。唯一のセックス相手、太郎と番えないので、おまんこが火照ってくる。カーペットの上でしてしまうわけにはいかなかった。カーペットを蜜で汚してしまう。

ある晩、美香のベッドの脇のカーペットに横になって、我慢できずショーツの上からクリトリスを擦り始めてしまった。がさごそという音で美香が目を覚ました。

「オナニーを始めてしまったの?さあ、ベッドにおいで」

今まで玲奈はベッドに入れてもらったことなどなかった。びくびくしながらベッドに前足をかけた。腕を使って、ベッドによじ登った。美香は玲奈をベッドの中央に抱き寄せると、着ているワンピースとショーツを脱がせた。

「玲奈、人間の言葉を喋っていいわよ。昔からの友達、玲奈として扱ってあげる」

美香はベッドの中央に玲奈を押し倒し、その柔らかい唇にキスをした。そして、柔らかいお餅のような乳房をいじった。ピンクのぷっくらした乳首をこりこりといじった。ああっ、と玲奈が声をあげる。

「人の言葉を話すのは久しぶり。どうして?」

「私のきまぐれよ。飼い主の特権。玲奈はもう人間の男とは交われないでしょう。性欲が溜まって仕方がないわよね?同じ女としてわかるわ。玲奈は犬だけれどね。今日は私が可愛がってあげる」

美香が玲奈の乳房に吸い付いた。玲奈はグーの手を美香の白くて細い体に回した。もうまっすぐにならない両足は美香の大きなお尻を挟んだ。玲奈の乳首が固く勃起する。

美香は右手で玲奈のクリトリスをこりこりといじり始めた。

「太郎とのセックスはどうだった?」

「気持ちよかったです」

「これから玲奈の膣穴にはいるのは雄犬のペニスだけなのよ。でも、女は別口ね」

玲奈のクリトリスは固く勃起し、膣穴から蜜が溢れ始める。美香は玲奈の膣穴の浅瀬をかき回した。ああっ、いいっ、と玲奈が声をあげる。

「太郎の檻でもしていたの?」

「え、ええ。太郎とのセックスだけでは満足できないの」

「太郎は前戯をしてくれないものね。このグーの前足でしていたの?」

美香は玲奈のグーの前足を優しく握った。指と指の間の隙間のように見えるのはもはや模様でしかない。

「ええ、これでかき混ぜるの」

美香は玲奈の小さな拳の匂いを嗅いだ。

「いやらしい匂いがするわね」

そう言って、そのグーの手をぱっくりひらいた玲奈の濡れた膣穴に押し込んだ。ずぶずぶと中に入っていく。美香はそれで玲奈の膣の中をかき混ぜた。

「こんな風にオナニーをしているのね」

玲奈は我慢できずに、ああっ、いくいっちゃう、と久しぶりに人間の言葉を発し、がくがくと体を痙攣させて行ってしまった。

「今度は、私にして、まずは、クリトリスをしっかり舐めて」

美香はぱっくりM字に股を開くと、陰裂のてっぺんにあるクリトリスを玲奈にぺろぺろと舐めさせた。ああっ、きもちいい、と美香が声をあげる。美香の膣穴から蜜が滴ってくる。玲奈はそれを舌でぺろぺろと舐める。

「さあ、前足でぐりぐりして」

玲奈は右の前足を蜜でべとべとの膣穴にぐりぐりと押し込んだ。ぐっしょり濡れた膣穴に、玲奈の前足がゆっくり沈んでいく。玲奈は前足でぐりぐりとかき混ぜた。肉襞がぎゅっと前足を締め付ける。

「行っちゃう、行っちゃう、もう限界」

玲奈が何度かかき混ぜると、美香は体をがくがくっとさせて行ってしまった。

「まだまだ、いけるわよね。もう一回しましょう」

玲奈の体も、美香の体も熱く火照っている。女の快楽は、男のように射精という出口を持たない。女の快楽は、身体中を駆け巡るのだ。だから、女は一度行っただけでは満足できない。美香と玲奈は、玲奈のグーの前足でお互いを何度も行かせあった。美香は玲奈を抱きしめた。

「玲奈は、今日からここで眠っていいわ。飼い主の気まぐれ。足はまっすぐにならないから、横向きね」

玲奈は久しぶりに柔らかいベッドの上で眠った。硬いカーペットの上で慣れてしまった玲奈には少し寝心地が悪かった。

太郎に引き渡されるまでは、美香の部屋で、玲奈として扱われることになった。美香の気まぐれだった。朝の散歩が終わり、家族と一緒の食事が済むと、

美香の部屋に戻される。口枷とリードを外されると、三面鏡の前で、お化粧をさせられる。人間犬としての暮らしが始まって以来の化粧だった。もう化粧をすることはないと思っていた。素敵な美香のブラウスやワンピース、ドレスを着せられたりする。姿見に映る玲奈は、人間犬になる前のように美しかった。

ただし、食事はドッグフードだったし、トイレは砂場だった。

お腹がチクチク痛み、腰が痛くなってくると、そろそろ生理が始まる印だった。生理が終わると、太郎の妻に戻るのだ。

生理の時は、美香が優しく面倒を見てくれた。

「生理が終わったら、太郎の奥さんね。少しは人間らしい生活を楽しめた?」

「ええ。楽しかったわ。昔に戻ったみたい」

生理が終わると、全裸にされて、太郎の檻に入れられた。花子としての生活が始まった。太郎が求めてくるので、前足でクリトリスをいじって膣穴を濡らすと、太郎を受け入れる準備をした。太郎は玲奈の背中に前足をかけると、その膣穴に長いペニスを押し込んでくる。玲奈はクリトリスや膣穴の周りをこする。中の無数の濡れた肉襞が太郎の長いペニスをぎゅっと締め上げる。太郎は長く繋がり、中に射精する。玲奈から離れると、玲奈の濡れた膣穴を舐めてくれる。

太郎の妻と、室内犬としての交互の生活を1年ぐらい繰り返すと、玲奈は太郎の子供を生まされることになった。ケージに入れられ、バンに積み込まれる。バンからは外の景色が見える。街の風景だ。大勢の男女が歩いている。いろいろなお店が見える。レストランやショップ。玲奈には二度と行けない場所だ。そう思うと、玲奈の目から大粒の涙がこぼれた。

車は大きな病院の地下駐車場に入っていく。玲奈のケージが出され、どこかへ運ばれていく。玲奈はケージから出されて、手術台みたいなところに横たえられた。お腹の上にカーテンみたいなものが敷かれ、下半身が見えない。膣穴に何かを入れられている感じがする。作業はそれほどの時間がかからずに終わった。

玲奈は再びケージに入れられ、お屋敷に戻された。

「花子は、しばらく室内飼いよ。犬用の子宮に、本物の花子の卵子と太郎の精子の受精卵を移植したの。出産するまではここにいていいわ。人間犬が犬の赤ちゃんを産むのよ。初めての人間犬の出産ですもの、何かあってはいけないわ。私のお友達、玲奈として扱ってあげるわ」

そう言って、美香は玲奈の柔らかい唇にキスをした。その月のうちに、玲奈の生理が止まった。玲奈のお腹が次第に大きくなってくる。乳房も大きくなり、乳輪も大きく黒ずんでくる。

「どうやら、玲奈はちゃんと妊娠したみたいね」

美香は玲奈の大きくなった白いお腹をさすりながら言った。

玲奈は再び、ケージに入れられ、病院に検診に向かった。横にされて、エコーをかけると、そこには3匹の子犬の胎児が映っていた。

「順調ですよ。このままいけば、3ヶ月ぐらいで出産です」

玲奈は子犬を身ごもってしまった。もう人間には戻れないのだ、ということを自覚するとまた、目から涙が溢れてきた。玲奈をケージで連れてきた男が言った。

「花子が泣いていますよ。赤ちゃんができて嬉しいんですね」

「初めての人間犬の出産ですから、心配なんですね。きっと大丈夫です」

医者が太鼓判を押した。